第1章 1
いつからだったか
そうおそらく、産まれたその瞬間から
私は自分が自分ではないようなそんな虚無感
まるで(神崎ゆり)という人物の体を借りて物語を見ているような
そんな感じがしてた
それは物心がついてから頻繁に
確実に自覚したのは14歳の誕生日高熱を出してうなされている時だった
「あら、37.8ね。良かった昨日まで40度だったから山場は抜けたわね」
そう言って布団を掛け直して冷えピタを新しくしてくれたのは私のママ
「ありがとう、ママ」
熱で未だボーっとする私ににっこり笑いかけながら「おかゆ。食べれるなら食べてね」とサイドテーブルに置いて部屋からママは出ていった
全然食べる気がしない
これは熱の所為?
いや、違う
それは確実
だって曖昧ながらも思い出してしまったから
私がこの世界に生を受ける前
つまり前世?というやつなのかな
なんとなく小さい頃からその現象?前兆?みたいなやつはあった
私が小さな頃から物分かりが良すぎるのもママもパパもびっくりしていたし幼馴染の2人も私は大人だって
まさかこんな事になるとは
はぁぁぁぁぁ
盛大なため息をついた後ママがせっかく作ってくれたおかゆを無理やり口にいれるが頑張っても3/1足らず
とりあえず薬を飲んで目を瞑る
私なんでこの世界に生きてるの?
これ多分、俗に言う(転生)ってやつだよね?
だって、私の幼馴染2人とも
あの漫画の世界の2人そっくりだし
山場を脱したとはいえまだ熱があるからかぐらぐらと揺れている気がする
なんで気づいちゃったかな
また夢の中に吸い込まれながら涙が頬をつたった