第44章 34
「快斗?時間だよ」
はぁぁぁ。と息を吐きすぐさま抱きかかえられ、ぴょんっとビルを飛び降りるのでギュッと捕まる
そして人影が少ない場所に降ろされた
「タクシーで帰れよ」
「わかった」
「終わったら………行くから///」
そう言って手の甲にキスされたと思ったらいつの間にか消えていて
次には夜空に飛び立っていた
言われた通りタクシーで帰り
玄関を開ける
「(ガチャ)ただいまー!」
そう言ったが誰もいなくて
そうだった
今日はパパとママも流星群デートだった
たしかそのままホテルに泊まるって言ってた
その後
シャワーを浴びて
ふと思った
前の私だったら快斗の犯行の日はずっとそわそわしていて
お風呂なんて入れる状況じゃなかった
いつからだろう
多分シンガポールに行ってから
私は[心配すること]が
[信頼すること]に変わった気がする
心配してない訳ではない
でもそれ以上に彼を、黒羽快斗を信頼したいのだ
愛してるから
ずっと一緒にいるって約束だから
私は快斗の婚約者だから
家族になる自覚を千影ママに教わった
キュッとシャワーを止めてパジャマに着替えてホットコーヒーを手に自室に戻る
ベランダに出てフーフーと冷ます
空を見上げるとキラッと今日1番光り輝く星が一つ