第42章 33
快斗の手にはいつのまにか司会者の封筒からすり替えた本物の優勝者のチーム名が書かれている紙を持っている
「しかし、4人のレディもとても麗しい」
快斗が指をパチンと鳴らすと私以外の4人に可愛らしい花束が手元に現れた
「それは私からのささやかな愛です」
キャー!!!と悲鳴に近い歓声が上がる
「そして」
コツコツと足音を鳴らしながら私に向かってくる快斗
「今宵咲き誇る1番美しいレディ?…私にこの指輪を嵌めさせて頂きたい」
目の前で跪き右手をそっと持ち上げられる
『左手は黒羽快斗に譲るからよ』
ボソッと私にしか聞こえない声でそう言う快斗
『バカ///』
私の言葉なんて全部(愛してる)に変換されたかのように、フッ。と不敵な笑みをしてポケットからピンクダイヤの指輪を出す
「これは私の探してるピンクダイヤではないようだ。美しいレディには本物のダイヤが1番似合いますがとりあえず今宵はこの指輪を貴女に嵌めさせていただきましょう」
そう言って指輪を嵌めて
快斗はマントを翻し煙と共に消えた
その後は大盛り上がりで
まさか怪盗キッドが本物のピンクダイヤか確かめにくるなんて!!と学校中大騒ぎ
私はというと早くこの窮屈なドレスから解放されたくて
本当は学校取材とかあるみたいだったけど無理の一点張りで早々に脱ぎ捨てヘアも軽くポニーテールに戻し皆んなの元へ戻った
「えー!ゆりもう脱いじゃったの?」
「いや、あれコルセットきつくて」
ヘロヘロになってる私を見かねてみんな直ぐに解散となった