第42章 33
そしていよいよ登壇の時を迎えた
「どうしよう、、ほんと緊張する」
いつも付けてる通信機兼ピアスを外されてしまった為快斗に助けを求める事も出来ない
「大丈夫。いつもの。そのままのゆりでいろよ」
突然背後から快斗の声が聞こえて振り向こうとしたが(シッ)と言われて動きが止まる
「……かぼちゃ。だと思え。だっけ?」
「そゆこと」
スーッ、ハーッ
深呼吸する
「ありがとう。お陰でちょっと落ち着いたよ」
振り向かずそう言うと手を引っ張られて物陰に連れ込まれた
「あー。まじで見せたくねー」
後ろから抱きしめてそう言う快斗
「なんで1人でアイスコーヒーなんか買いに行ってんだよ」
そして文句を言われた
「だって快斗疲れてたし、さっきのお詫びとしてって」
「はぁぁ。婚約の話で俺が疲れ切ってるって思ってるんだろうがそれ。勘違いだからな」
「えっ?違うの?」
思わず振り向いてしまう
そこには目をギラつかせた快斗が居て
キスされそうになるが
快斗の唇を手で抑える
「ダメ、リップ取れちゃう」
(チッ)と舌打ちをする快斗
「俺が疲れてたのは、オメェをこれから遠ざけるので忙しかったからだよ///」
ふいっとそっぽを向く快斗
「だからゆりが1人になったタイミングに群がってきやがったんだろ」
「そんなハエじゃないんだから」
(俺にとったらそんなもんだ)とムスッとして言う快斗
「フフッ。でも守ってくれてたんだね。ありがとう」
ギュッと抱きつくとまたため息が聞こえたけどすぐに抱きしめ返してくれた
「あれ?神崎さんどこ?さっきまでここに居たんだけど」
そんな声が聞こえてハッとする
「もう行かなきゃ!」
そう言って快斗から離れて向かおうとしたが手を握られる
「快斗?」
「………フッ。まぁ、楽しんでな」
チュッとおでこにキスされてその場を立ち去る快斗
おでこが熱くなった気がしたけど
何だか勇気を分けてもらえた気もして笑みを浮かべる