第42章 33
夜
神崎宅
「文化祭って青子たちも行ってもいいの?」
今度行われる文化祭のチラシを見てウキウキした顔をする青子
今はいつもの夜ご飯後のティータイム
「もちろんだよ!」
「やった♪じゃあみんな誘っちゃお!」
デザートのゼリーを美味しそうに頬張りながらそう言う青子
「んだよ…オメェも行くのかよ」
「え?快斗も来てくれるの?」
「……わりぃーかよ」
あんまりこういうの好きじゃないかなって思ってたからちょっと驚いた
「快斗ー?もしかして。コレ!でしょ?」
チラシを指差しニヤニヤする青子
そこには[モデルハンティング]の文字が
「これにもしゆりが選ばれたら困るもんね!だって優勝者にはピンクダイヤの指輪をハントした人が嵌めるって書いてあるし」
「模造品だけどね、ピンクダイヤのビッグジュエル風にしてるみたい。きっと怪盗キッド人気かな?仮面舞踏会をモチーフにして見知らぬ男女が恋に落ちてプロポーズをするってコンセプトみたい」
「へぇ!素敵♪……快斗にとっては気が気じゃないねwww」
青子がスプーンで快斗を指差しくるくるすると快斗はそれを奪いとってポンっと消す
「うるっせーな///アホ子のくせになんでこういう時だけ察しがいーんだよ」
「だって私のゆりの事だもーん」
「誰がテメェーのだっ!」
また始まるいつものやつは放っておく
自室
「快斗本当に来るの?文化祭」
青子は先に帰ったので2人で部屋でゆっくりしながらもう一度聞いてみた
「そのつもりだけど」
「フフッ。そっか♪嬉しい!私展示物だけだから一緒に回れるね!」
そう言って抱きつくと優しく受け止めてくれた
「ところでピンクダイヤってあれだろ?イランにあるやつ、[光の海]」
さすが快斗だ
宝石に詳しい
「そう。なんでも実は対になるのがあったって噂みたい」
「対って確か元々半分にしたやつだろ?」
「うん。なんかそれが実は三等分されてる物だったみたいよ。しかも元々対だと言われていた2つ分の大きさなんだって」
「……あー。なんかその記事みたかも」
「鈴木次郎吉さんがまた狙ってるみたいね」
暫く考えこむ快斗そして不敵な笑みをこぼした
「そうなったら。また怪盗の出番って訳だな」