第4章 4
「おーい!快斗ー!こっちこっち!」
次の日あらかたの作業を終わらせて快斗を入り口まで迎えに来た
「おー!出迎えご苦労」
わざとそんな事を言う快斗は無視して現状を話す
「快斗ごめん!作業もうちょっとかかりそう…あと1時間で終わると思うんだけどもし良かったら先どっかでお昼食べてきても良いよ?」
本当は一緒にランチしたかったけど
朝の電車が遅延して思った時間に登校できなかったのだ
「そしたらゆりが作業してるの見てていーか?実はどんな風にやってるか気になってたんだよ」
ちょっとわくわくしながら言う快斗にもちろん!と嬉しくて笑ってみせた
「ひょえーー!!!これゆりがやってんのか?本物そっくりじゃねぇーか!」
そう言って作業中の作品を見てウキウキする快斗
今私はアトラクション用に使う鹿のロボットを製作中というか修正中
「全部が全部じゃないよ。元の形は出来上がったてんだけどねー。毛流れとか眼球とか角とか新しく作り直してるの」
「いや、それでもすげーよ」
「最後の仕上げがあとちょっとだからもうちょっと待っててね!…あ!その前にこれ!」
本来の目的を思い出しあらかじめ用意しておいた紙袋を渡す
「ん?……(ガサッゴソ)お!これ言ってたマスクか?」
「うん。快斗の顔2枚と全く誰でもない人物男女一枚づつ。役に立てば良いけど」
そう言いながら作業に戻ると背後から(うひょー!すげー!え!まじで?!)等騒々しく喜ぶ快斗
そんな気配に愛おしさを感じてフッと気づかれないように笑って作業に集中した