第39章 31
遠くから
マリーナベイ・サンズが燃えて崩壊してるのが見える
それを呆然と眺める
あそこに
快斗がいるのかな
無事?
惨状が[大丈夫]とは言えなくて
身体の体温がどんどん失っていく感覚に陥る
ここは急遽とったホテルで
ベランダからそこが一望できる
千影ママは気を遣って私とは別部屋
さっきママとパパには安全な事を伝えた
快斗は
大丈夫
だよね?
あれから通信機はオフのままで
息遣いも聞こえない
だんだん火もおさまり聞こえるのは遠くからパトカーや消防車の音
震えだす身体を自分の腕で抱きしめる
お願い
快斗に会いたい
私達
結婚するんだよね?
その後も暫く眺めていたけど、何も変わらず
とりあえず部屋に戻って熱い何かを飲んで落ち着こう
そう思って部屋の方に向いたその時
「待たせたな」
音もなく現れたそれは
月夜を自由に羽ばたく白い鳥