第39章 31
「へぇー。あの人凄いのね」
「やっぱりいるよね怪我しないと良いけど」
「あら、彼が今回の強敵?といったところかしら?」
遠くから快斗達の様子を見てそう言う千影ママ
「さっ♪私達は私達で楽しみましょ」
そう言って手を引かれたのでチラッと快斗の方を見ると
あ
目が合った
『なーんだ』
気づかれてた
夕方
「ゆりちゃん。あなたっていつもあんな感じなの?」
「へ?なんの事ですか?」
突然そんな事を哀れみの目を向けてディナーを頬張る千影ママ
「気づいてないのね?……シンガポールに来てから今日まで知らない人に何人に声かけられたかわかるかしら?」
「え………5人?くらい?」
はっきりとは覚えてない
日本語で話しかけられる場合もあれば流暢な英語の場合もあって
英語は日常会話くらいしかわからない
早口で喋られると余計わからなくて
「いや、10人以上はいたわ……快斗がよく見ててと言った理由がわかるわぁ」
はぁ。と吐息を吐きながらワインを飲む姿は妖艶で千影ママは本当に綺麗
「ねぇ千影ママ、私も千影ママみたいな綺麗な女性になりたいです」
「やだ♪ゆりちゃんたら♡もぅ充分魅力的よ。これ以上は快斗が心配で禿げちゃうわ」
禿げた快斗も可愛いかも
そんなことを思って思わず、フフッ。と笑ってしまう
ディナーも終わり部屋へ戻る
千影ママはプライベートを尊重してくれて違う部屋を取っているので私は1人でゆっくりお風呂に入っていた