第39章 31
そして次の日は千影ママとアート散策に
「ねぇ、千影ママ?私いいのかな?…快斗が忙しい時に」
「なーに言ってんの!ゆりちゃんの今の仕事は姑である私とシンガポールを満喫することなのよ?厄介な事は快斗に任せておけばいーの♪」
そう言ってランチ後のコーヒーを啜る千影ママに苦笑いする
「ゆりちゃん?これは試練よ!」
「試練?」
どういう事だろうと首を傾げる
「そう!この先あの子が危険になった時。どんと待っていられるかって事。黒羽快斗を何処まで信頼できるか。結婚とは[信頼]私はそう思ってるわ」
ニコッと笑う千影ママ
「快斗を信じてない訳ではないんです。……ただ。心配で」
「そうね。でもね?……きっと快斗はゆりちゃんが(大丈夫)って言ってくれるだけで強くなるわ。それも覚えておいて」
ウインクをして手をそっと握られる
信頼する
何かがストンと落ちた気がする
「……早く快斗に会いたい」
早く会って
快斗を抱きしめて
「絶対大丈夫だよ」って伝えたい