第4章 4
「あつっ」
作業場にこもって帰る頃には既に日が沈んでるのに帰路はムワムワも熱気がこもっていた
作業してたこともあり既に何度も発汗してる私の首にべったりと髪の毛がくっついて鬱陶しい
胸下まで伸ばしてる髪を手櫛でささっとまとめてクリップで止めても後れ毛がへばりついてくるのだ
「髪切ろうかな」
ぽそっと独り言を言ったら
「なんで?」
と後ろから声がして首筋にひんやりしたものが当たった
「ひゃっ?!……なぁーんだ。快斗か」
食うか?と半分こ出来るそのアイスは私が大好きなコーヒー味で素直に頂くことにした
「こう毎日暑いとさ、髪の毛が鬱陶しいのよ」
先ほどの話に戻して家路を一緒に向かうと、ふーん。と気のない返事が返ってきた
「でもよー。長い髪の女が髪をあげた時が1番セクシーだと思わねぇ?」
へばりついた髪もエロだよなとニヤニヤが止まらないで何かを想像する快斗にいつもの様に脇腹に人差し指を突き刺した
「だぁーから!それやめろって!いでぇー!!」
「なぁーにを想像してんだか。エロ快斗め。青子に言いつけるぞ」
そう言って痛がる快斗置いていくと後ろからまたアホな事を言い出す
「いーじゃねぇーかよぉ!別に。男のロマンに口出すなよなぁ」
「ところでさ、快斗明日は暇?」
エロには興味なくなりそう言うと(ん?暇だけど)と返事が来たので
「明日には今の作品終わりそうなの。見にくる?」
「えっ!まじで?行く行く!」
この学校に通ってから快斗は私がまさかそこまで特殊技術があるとは思ってなかったみたいですごく興味を持ったみたい
なのでこうして時々私の作品を覗きに来たりするのだ
「明日は朝イチから始めるから多分昼前には終わるかな」
「そしたらその後飯食いに行こうぜ」
お昼を誘ってくれたのが嬉しくて笑顔で頷く
「それにしても、まさかゆりがそんな才能持ってるとはなー」
感心しながらいう快斗に苦笑いする
それは本当に前世の私ありがとうと言いたい
その記憶のおかげで既に何度か依頼など受けてもはや課題作業が仕事化している