第38章 30
食事が終わり外に出る
パパとママは食後のアルコールタイムと言って備え付けのバーに行った
「うわぁ!綺麗」
辺り一面、海が広がる景色を眺めていた
「この距離なら快斗も魚怖くないね」
そう言って向き直ると景色なんか見てなくて、私をずっと見つめる快斗
あ
キスされそう
そう思った時にはもう重なっていて
ゆっくり快斗の首に手をまわす
そしてそっと唇が離れた
ワン
トゥ
スリー
ポンっ
快斗の手には一本の暗めなピンクの薔薇
それを受け取ると私の前で跪きそっと反対の手で手を握られる
「この先の永遠の時を私の宝箱で過ごしていただきたい
それに至って、時期尚早ですが[ここ]に嵌める極上な宝石は私が選ばせて頂く事をお許しください」
チュッと左手の薬指にキスする快斗
「か、かいと///…これって///」
ゆっくり立ち上がりそっと抱きしめられて肩に頭を乗せて囁いてくる快斗
『この[仕事]だからよ。……
ほんとは負担にさせたくねーんだ
でも、どうしてもお前だけは返してやりたくなくて…………
だから本当はいやだけど
少しでも逃げ出したくなっていたら今突き飛ばしてくれ」
快斗の顔は見えない
でもその声は少し震えていて
不安な気持ちが伝わってくる
「フフッ♪」
私が笑うと少しビクつく快斗
「もぅ、、快斗ったら」
私もゆっくり腕を回して快斗のシャツをつかむ
「もう私は快斗から離れられないよ?
だって私自ら宝石箱に入りたいって思ったんだもの」
ギュッと力を入れると同じく力を入れてくれる
『絶対離さないでね?
愛してるの』
「バーロォ////
離すわけねーだろ」
顔をあげておでこにキスされる
「もう俺から逃げられねーからな」
ニカッと笑う快斗が眩しくって
背伸びをしてキスを一つ