第35章 27
夜中
快斗宅
カラカラカラ
「………うわっ?!ゆり?!オメェなんで?!」
仕事を終えた快斗が帰ってきた
私はベッドの上でコーヒーを飲みながら読書タイム
「おかえり。快斗」
本をぱたんと閉じにっこり笑いかけるがカケラも心の中では笑ってはいない
「よかったね。細菌も偽物で」
「あー。…うん」
しどろもどろしながらゆっくり私に近づきそのまま正座する快斗
「……ごめんなさいっ!!!!」
そして頭を下げた
所謂土下座ってやつ
何故こうなったのかというと
数時間前
スカイデッキ
「新一………ね、、、一」
途切れ途切れに聞こえる蘭ちゃんの声
私はこの時自室にいた
「よぉ、蘭。今日は中々刺激的な1日だったな」
そんな事言わないでしょ。工藤新一が
心の中でそんな突っ込みを入れつつ本に目を通す
「………新一!!自首して!新一!やっぱり泥棒は泥棒。よくないよ!お願い新一(ガサッ)」
ちゃんと良く聞こえてるって事は距離が近いって事で
ガサって布ずれの音は
抱きしめられてる?
ちょっとした黒い何かがドロっと頭の中で産まれる
「……フッ。わかった」
「それじゃあ!」
「俺が1番欲しかったお宝をオメェがくれたら。警察に出頭してやるよ」
ドロドロとどんどん嫌な感情が駆け巡る
「でも私!何ももってな「シー」」
「それはもちろん」
「へっ?!あ///ちょ!ちょ、ちょ、ちょっと////」
ゴホンッ
思わず咳払いを、ひとつわざとしてやった
快斗
どうなるか知ってて
やってるってことだよね?