第35章 27
「聞いてっか?」
暫くしてから快斗からインカム越しに話しかけられる
「聞いてるよ?……快斗、蘭ちゃんにバレたでしょ」
そう言うと、ハハハっ。と乾いた笑いをする快斗
「んまぁ、そんな事より。うっかり降りちまってよー。飛行船」
「は?!…大丈夫なの?!」
「あ、まぁ。それはなんとか戻った……つか、聞いてたからわかると思うんだけど」
「ん?」
「赤いシャム猫が飛行船の喫煙室に細菌ばら撒いたらしいんだ」
「………うん。聞いてた」
なにを言うか大体わかってしまって嫌なドキドキを感じる
「もし、俺がなんかあったら。……ジーちゃんと母さん頼むな、、こんな事オメェにしか頼めないからよ」
そう明るく言う快斗に涙が出そうになるがグッと我慢する
「………うん。、、、わかってる」
『フッ………愛してるぜ』
そう言って笑う快斗にギュッと胸が締め付けられる
私も
愛してるよ
快斗