第30章 24
それを見送ると快斗は私の手を引き無言で何処かへ歩き出す
「か、かいと?どこへ「いーから。黙ってろ」」
そう言われたら黙ってるしかなくて
暫く歩くと人気のない場所に連れてこられた
「ここなら大丈夫、か」
「あの……快斗?」
戸惑ってそう声をかけるとくるっと振り向いた
その顔は困った様な、怒った様な
「ったく///なんで来んだよ」
「ごめんなさい」
素直に落ち込む
そうだよね
やっぱり困らせちゃった
「あ、、いや。そーじゃなくて///……つーか見せたくなかったっていうか」
そう言って頭をガシガシ掻きながらそっぽを向く快斗
「え?」
「……いや、、、あーもっ!だから!!オメェのその顔が悪いっ!!」
そう言ってギュッと抱きしめられる私は若干パニック
え?
私どんな顔してた?
『わかってんのか?…俺といる時のゆりの顔、、、可愛いすぎんだよ///』
ギュウッと締め付けながら耳元で囁かれる
『誰かに見られてちょっかいかけられたくねーだろ』
(だから誰にも言ってなかったのに)とぶつぶつ文句を言う快斗
どうしよう
すごく嬉しくて涙が止まらない
そんな私を見て快斗はまた優しく涙を拭ってくれた