第30章 24
「快斗はね、小さな頃からずっと盗一パパに憧れてるの。そう。今もね。…盗一パパの話をしてる時とマジックをしてる時の快斗は本当にキラキラしてて。それが私は大好きで。だから私なんかに惑わされないで欲しいなって」
「そうね……でもそれってゆりの本当の気持ち?」
「え?」
私の本当の気持ち?
「快斗くんが大切なんだって。それはゆりの本心だと思うけど………いいのよ?そんなに早く大人にならなくても。ワガママだって言っていいのよ?」
「ワガママって……」
「ゆりは私が覚えている中でワガママって全然なくて。でも、一つくらい言ったって誰も文句は言わないわ!それにね
恋ってワガママを言い合って初めて愛にかわるものよ」
そう言って可愛くウインクするママ
なんだか泣きそうになるがやっぱり泣けなくて
「ママ、ありがとう」
ママは嬉しそうにうんうん頷いていた