第30章 24
「あ、なぁ母さん。怪盗コルボーってやつ知らねーか?ラスベガスに出没してたらしいけど」
「知ってるわぁ!向こうでも大フィーバーだったもの!まるで現代に甦ったアルセーヌルパン。私も一瞬、心が奪われそうになったくらい」
そう言って千影ママは頬を赤くして両手でおさえる
「そいつ、親父と一緒の師匠に技術を教わったらしいけど」
「え、快斗会って話したの?!」
驚いてそう聞くとちょっと視線をそらしながら(あ、ああ。まぁな)と言う
「さぁね。あの人出会った時はもう一本断ちしてたから」
「じゃあマジック破りのハリー根津ってじいさんは?」
「ああ!!あの人は最悪!大きなマジックショーを控えてるマジシャンには必ずメールを送るのよ?」
「メール?」
私が聞き返すと
「そのマジシャンの演目全てのトリックを図解入りでこまかーく暴いたメール」
千影ママの話を聞いて(うげぇぇ)という顔をする快斗
「でね!ネットで[彼のマジックは全て見抜いた!疑うのなら本人に確かめてみよ]って宣言するの」
「こわっ!」
「そうだな…。そこまでされちゃあ、マジシャンも認めるしかねぇよな」
「ま、お陰で自分も見抜いてやる!っていうお客さんが押し寄せてショー自体は大盛況なんだけどね」
「怖いけど、、根津さんに見つけられたマジシャンは才能があるって事?」
私がそう言うと、フフッ。と笑い返してくる千影ママ
「なに〜?興味あるんなら快斗も行ってみる?ラスベガス♪」
「ひぇっ?」
驚く快斗
「あなたの腕ならすぐにステージに上がれるわよ?泥棒なんかやめてベガスでマジシャンっていうのも悪くないんじゃない?」
そう言われて少し考えこむ快斗
「泥棒を辞めてラスベガス、、かぁ」
そう言って深く考え込み始める
「それに♡ゆりちゃんとの将来を考えるなら稼ぎがある方がいいんじゃない?今は許してくれててもあの涼さんがねぇ?今の快斗で許してくれるかしら[結婚]」
そう言ってニコニコ笑いながら私達を見る千影ママ
同時に赤くなる私達