第28章 23
汐留ビュータワー
劇場・宇宙
「ママこの舞台の特集見てて行きたいなって思ってたの!快斗くんと行けなくてゆり残念だろうけどすごく嬉しい!」
ニコニコ笑って言うママ
快斗は函館資金でお金を使ってしまうのでバイト中と言うことにしている
「それにしても。ゆりと快斗くんてこんな大人デートもしてるのね♪」
座席に座りパンフレットを見ながらそう言うママ
「快斗くんってほんと紳士よね」
それはどうかな?と思うところも多々見受けられるけど
「そうだね。基本的にジェントルマンだよ。ロマンチストでもあるかな」
花束の意味だって私は最近知らされたけど
よく考えたら最初の5歳の花束以降の6歳から今までずっと同じライトブルーと白の薔薇だった
つまりはそんな小さな頃から快斗はそういう意味で私に送ってくれていて
思い出してちょっと赤くなる私
「あらあら。フフッ。大切にしてもらってママは嬉しいわ」
そう言ってクスクス笑った
ふと当たりを見渡すと非常口付近に工藤新一がいて目を見開いた
『シッ』
軽く人差し指を口元につけてさっと下ろす
まったく
そんな事だろうと思ったよ快斗
はぁ。とため息をつくと苦笑いでこっちを見て視線を逸らした
そして開演
舞台はとても面白かった
終演する頃には快斗の姿は消えていた
「面白かった〜♪快斗くんほんと残念ね」
「そうだね」
ニコッと笑いながら言う
「そういえば夕飯どうしようかな?パパは今日飲み会だし、快斗くんはまだバイトでしょ?」
「快斗の分は作り置きしてあるから大丈夫!」
「貴方たち…大人通り越して夫婦ね」
ボッと赤くなる私にまたママは(あらあら)と言う