第26章 22
夜
「やっぱり行きたかった」
ブスっとしてる私にちょっと申し訳なさそうな快斗
今日は昨日のこともあるし嫌な予感がして最初から快斗の部屋にいる
「だぁから。悪かったって」
この腰じゃ、あの人混みは危ないからと快斗に観にくることを禁止されたのだ
「せっかく快斗のかっこいい姿、見れると思ったのに」
そう言うとフッ。と不敵に笑い私の手を取り引き寄せる
「そんな事言われたら、また。今宵も手の内から逃げ出せなくなるって気づいてほしーんだけどな」
キッド混じりな言い方をした快斗はそっとキスを何度もした後、頭を優しく撫でてくる
「待ってたら。それでもいいって判断するから」
「それって心配で待ってても襲われちゃうって事?」
「さぁ?どーだろうな?」
そう言って部屋を出て行った
中継で快斗の様子を見る
観客は今回は網の外に出されていた
その時一枚のカードが
「皆さんこんばんは。怪盗キッドです。恐縮ですが、今宵のマジックショーは中止いたしたいと思います。観客もテレビもないこの寂しい状況では、どうにもテンションが上がらなくて……では皆さん。ごきげんよう」
そう声がしたと思ったらカードがボンッと爆発した。
[いれろ!いれろ!いれろ!いれろ!]
観客のコールが始まり網を潜ってどんどん中に入っていく
そして観客が集まった頃
快斗が誰かと話してる声がインカムで聞こえる
多分コナンくんだ
「快斗?楽しんでるでしょ」
『楽しまないでどうすんだよ。こんな最高な大舞台で』
そう言って快斗は次のカードを打ち込んだ
「ではギャラリーも賑わって来ましたので、まもなくショーを開演したいと思います!」
歓声があがった
しかし今回はうまく行かなかった様だ
電光掲示板に垂直に立っている快斗
垂れ幕を撃ち落としジーちゃんを掴みそのままハングライダーで逃走する姿が映し出される