第26章 22
夜
「今日は中継で見てるね、快斗。コナンくんもいるし。気をつけてね」
「わぁーってるよ。じゃ、ショータイムといきますかっ♪」
自室でタブレットで中継を見ると
快斗がミュールの上にふわっと降り立った姿が映る
[怪盗キッドさん!!なにか一言!]
アナウンサーが快斗に近づく
「…あぁ、では鈴木次郎吉相談役に伝えて下さい。今回は寝耳に水な話、充分な時間が取れず予告状を出せなかった無礼をお許し下さい、とね?」
そう言い終わったと同時に突然道路が大きな網で囲まれた
快斗の言った通りだ
[おぁぁ?!網です!!錦座4丁目の交差点が巨大な網で仕切られました!!]
[あ、あの!四方を完全に囲まれてしまったようですが!この後どうするつもりで?]
「フッ。そりゃまぁ、仕事が済んだので?家に帰ろうかと♪」
ミュールを懐にしまいながらそう言う快斗
[ど、どうやって…]
「テレポーテーションで…
ではまた…十数秒後に、時空を超えた先で
お会いしましょう!」
ボンッと白煙が上がりあっという間に消えてしまった
『やっぱり、見に行けば良かった』
ぽそっと呟くと快斗は『いつでも見せてやるよ』と言う
[ほ?!本当に消えました!!]
そしてキッドのカードが3枚落ちる
スリー
トゥー
ワン
先ほどよりも大きな音が鳴り白煙と共にビルの上に現れた快斗
「鈴木次郎吉相談役にお伝え下さい。貴方から送られた貴重な品は確かに預かりましたが、残念ながら片方は模造品。これはそちらにお返ししますので可能ならば、明晩再びこの場所に用意していただけるとありがたい。
愛しい女性に贈ろうにも。
片方のみでは機嫌を損ねるだけですから」
そう言ってビルから飛び降りる