第25章 21
『綺麗』
思わずそうぽそっと呟いたのが通信で快斗には筒抜けだったのか、フッ。と笑った
「私が光と共に盗み出した宝石はどうやら私が求めていたものではないようだ」
月に掲げた快斗はそう言う
パンドラじゃなかった
「これは貴方の美しい指に収める事にしましょう」
跪いて指輪を女性にはめる快斗
それを見て演出だってわかってるのに
ドロドロした気持ちが溢れそうになる
「さあ!時間ですよ!お嬢さま…
いざ!王子のもとへ!!」
そう言って王子に道を開け渡した
そして
美しい歌声が響き渡る
そして物語は進み
大喝采のもと終演した
「わぁぁぁ!こんな素敵な物語だったのね!」
感動する青子
「うん。……本当に」
感動すると共に快斗を想う
「さっきの怪盗キッドって本物かな?」
その時ささっと戻ってくる快斗
「んなわけねぇってあれもきっと役者だろ?しっかし最高の舞台だよな!」
そう言う快斗に青子が(見られて良かった)と同調する
「ん?どうした?」
快斗は私が無反応なのを除きこんだ
「……え?なに?」
「いや、様子が「大丈夫!」」
快斗の言葉を遮りそう言う