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最後のマジック

第17章 15







「なーんで、通信切んだよ」
ふわっと音もなくベランダに降りたつ姿はもう闇夜を自由に羽ばたく白い鳥ではなく、いつもの快斗だった


「なにがお返しよ、ドキドキの種類が違うじゃない」
いつものように本を読みながらそう答える

網戸を開けて勝手に入りいつもの定位置にドサッと座る快斗



「そんなむくれんじゃねーよ」
な?と自分の足をぽんぽん叩いてこっちに来いと要求するので素直に従い隣にくっつく様に座った

「怒ってないよ?……まだちょっと嫌な予感がするだけ」

そうなのだ。

この下見だけで終わるとは思えなくて

なんだかざわざわした気持ちが胸の中で騒いでいる



まーた女の勘かよー。って言われるだろうなと思い身構えたがそれは言われなくて

そっと快斗を覗き込むと真剣な顔をして考えに耽っていた




「………やっぱりゆりの言うことは聞いといた方が良いよな?」

「え?」
なんのことだろうか

さっぱりわからなくて首を傾げ快斗を見上げると何故か顔を赤くする


「////おい、ゆり//そんな顔で見んなって!」

「へ?何が?」

「//////……だぁ!もーいい!……それより」

「ん?」

「ゆりに依頼だ!この怪盗キッドさまクイーンセリザベス号にて世紀の大マジックのさ!」
そう言った後ちゅうーっと長めのキスを一つし、快斗は(じゃあな!)と消えていった



相変わらずの神出鬼没に笑ってしまう私



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