第17章 15
しばらくしてから
『フッ、どうやらまた[女の勘]てやつ当たっちまったみたいだぜ』
ぼそっというので(へっ?!)と聞き返すが返事はなかった
「よぉ!、、ボウズ」
その一言で誰と話してるか何となく分かってしまった
たしか
その子は今後
深く関わっていく人物だって
「か、快斗…」
一気に不安になりギュッと両手を胸に当てて握る
当然返事はなかったけど、フッ。と不敵に笑うのが分かった
大丈夫
大丈夫
「なにやってんだ?こんなところで」
花火の音が聞こえる
「あー!ほ、ヘリ、プター!こっち、気づい、み、、だよ!」
子供の声が途切れ途切れ聞こえる
「フッ。ボウズ。ただのガキじゃねーな」
きっと快斗も気づいたのだろう
この子は危険だって
「江戸、コナ、、探、さ」
「ほー?」
快斗はきっともう警戒してるはず
だから大丈夫
「快斗、待ってるからね」
快斗はその後得意の声色変化で騙しわざと警官を騒がせて
「よぉ、ボウズ、知ってるか。怪盗は鮮やかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが、探偵はその跡をみてなんくせつける………ただの批評家にすぎねぇーんだぜ?」
そう言っていつも通り華麗に逃げ切った
「はぁ。まったく」
暫く息を止めていたのかもしれない
バクバクと心臓がうるさい
「うひょー!なんかすげーガキがいたけど。あぶねーあぶねー」
いつもの調子の声が聞こえて胸を撫で下ろす
「下見でドキドキさせないで」
「さっきのお返しだなー?」
ニシシッと笑う声が聞こえてインカムを強制的にシャットダウンした