第2章 2
「ごめんね、おこしちゃった」
青子ちゃんを起こさない様に静かにそう言う
「それ!もしかして!」
快斗も小さな声だが興奮は抑えきれないのかそう言いながら盗一パパが仕込んだであろうバースデーカードを見てすごく嬉しそうな顔をした
「うん!とーいちパパかっこいい!ありがとうっていいにいかなきゃ!」
両親たちのいる部屋に繋がる襖を開けようと立ち上がったら突然快斗に手首を掴まれた
「え?なに?」
「…お、ぉれだって!!」
一瞬大きな声を出しそうになってすぐ青子ちゃんの存在を思い出して小さく言う快斗
そんな快斗を不思議な気持ちで見つめて居ると隣に座れとなおも引っ張るので向かい合わせになる形で座り込んだ
「どうしたの?かいときげんわるい?」
覗き込みながらいうと(いいからだまってろよ)と言ってちょっと深呼吸してみせた
そしてまたポンっと小さな音がしたかと思ったら膝の上に可愛らしい花束が突然現れた
おそらくそれは快斗が自分で手づから摘んできた花で
所謂雑草の類いなんだけど綺麗に整えられてて一生懸命彼なりに自分で何かしようと考えた結果なのだとすぐにわかった
「わぁぁぁぁっ!かいとありがとう!」
花束を壊れない様にぎゅっと抱きしめてそう言うと頭をぽりぽりかきながら(だってよー)と照れ隠ししながら言い訳を述べる
「あおこがよー。ゆりのたんじょうびプレゼントはてづくりにするとかいうし」
青子ちゃんに張り合うためなのかそんな事を言う
「それにおれだってゆりのこといちばんす、、、、だいじなともだちなんだからな!」
慌てながらもニカッと笑ってそう言う快斗にときめかずにはいられなかった私はもうこの時あっという間に快斗に心を盗まれた