第2章 2
今から9年前
5歳の誕生日
「ゆりちゃん!たんじょうびおめでとー!」
そう言って可愛い色をしたビーズで作ったブレスレットをくれた青子ちゃんにありがとう!と言ってハグし合う私達をニコニコ笑って見ている両親たち6人
青子ちゃんは最近私と快斗の家の間に引っ越してきて仲良くなった女の子だ
「ゆりちゃんはね!あおこのいちばんだいじなおともだちだからいちばんにつたえたかったの!」
「わたしも!あおこちゃんがいちばんだいじなともだちだよ!!」
キャッキャとはしゃぐ私たちの横で大好きなアイスを頬張りながら「おれだって!」と言う快斗
口の周りにはびっしりとアイスが付いているのでそっとティッシュで拭ってあげた
「かいともいちばんすきよ?」
「あらあら…」
「まったくゆりは」
両親達は生暖かい目で見守っている
突然の告白まがいな事を言われてしかも口元のアイスを拭われた恥ずかしさから真っ赤になって口をパクパクさせている
そんな事には気づかない青子ちゃんは(あおこもいちばんだいすきー!)と再度ガバっと私に抱きついてきた
赤くなってる快斗は無視して2人ではじまるおままごとに(ちぇーーっ)と言いながら両手を頭の後ろに組んで仰向けにゴロンとなって眠そうにする
暫くして青子ちゃんも眠たかったのかその場でゴロンと寝転がりスーッスーッと規則正しい呼吸音が聞こえ始めた
そっとその場を離れてパパに「あのね!ふたりともねちゃったの!だからかけるものないかな?」と言ってタオルケットを2つもらってきて両親たちの話し声が聞こえないようにそっと襖を閉めた
お腹を出して寝てる快斗に最初にかけてそれから青子ちゃんにも
2人とも暫く起きそうもないので今日誕生日プレゼントとして快斗の両親からもらった絵本を読むことにした
マジックの絵本で盗一パパが選んだのかな?とふと思いながら本を開くとポンっと小さな音がなってバースデーケーキのイラストが書いてあるカードが出てきた
そこには私が読めるようにかひらがなで「すてきなたんじょうびを」と綴られている
「わぁぁぁ!」
起こさないように出来るだけ小さな声を発したつもりが隣で快斗がゆっくり体を起こした