第15章 14
『ねぇ、快斗。もう」
「あぁ」
真剣な顔になる快斗
そっと手を握ってピッタリくっつく私に赤くなりながら焦る快斗
「うわっ////なんだよ//青子もいるんだぞ//」
そんな事お構いなしにギュッと抱きつく
「大丈夫。今青子前向いてるし。それより」
胸のポケットにさっと快斗バルーンを忍ばせる
そして背伸びをして耳打ちした
『万が一、ね?』
チュッとほっぺにキスして離れるとそこをぽりぽり掻きながら(こんにゃろー///)と視線を逸らした
3D映画の座席に座ると「あー、俺3D映画って苦手なんだ、、外で待ってるよ!」と席を外そうとする快斗
でもそれは叶わなかった
「あ!待って!」
そう言って快斗に手錠をかける青子
「えっ?!青子?!」
思わずびっくりして声をかける
快斗は目を見開き(やべぇ)って顔をする
「ごめん。もう少しだけ、もう少しだけじっとしてて」
反対側には青子が手錠をかけてる
「あ、青子?!」
「さぁ♪見よ見よ♪楽しみー!ね?ゆりみたいって言ってたでしょ?これ」
そう言って押し切る青子
快斗は真顔で事態を整理していた
「ねぇ、快斗」
「ん?」
「やっぱり……」
バレてるんじゃない?と聞くまでもなく(あぁ)とだけ言ってするすると手錠を外しさっき胸ポケットに私が入れた快斗のバルーン人形を膨らました
『いってらっしゃい』
ボソっと快斗にしか聞こえない声で言う
こっそりインカムをつけて劇場の大きな音に合わせて快斗に話しかける
「とっておきのマスク使ってね」
「その時が来たらな」
結局その時は来てしまったみたいで
なんとかとっておきのマスク=青子のマスクで難を乗り切った
「後何分だっ?!」
「後3分くらいかな」
走ってるであろう快斗にそう答える
急いで帰ってきて
快斗
なんとかギリギリ間に合った快斗は何故かぼろぼろで吹き出すのを抑えるが肩が震えてしまう
「面白かったね」
そう言う青子は楽しそうで
「ハハハッ。こんにゃろー」
快斗は疲れ切ってピクピクしていた