第14章 13
夜
「ほんとに、ほんとに!気をつけてね!」
インカムでいつものように念押しする
私は心配でキッドの出待ちファンに紛れ時計台の前にいる
「わぁってるって…予告まであと28分30秒、では!江古田在住27歳独身の泉水陽一巡査、名前とお顔。お借りしますよ」
私の作ったマスクを付けて変装する快斗
「あ!ゆりも来てたの?」
インカムをささっと髪で隠し、声のする方を見るとそこには青子と恵子がいた
「そういえば快斗知らない?」
青子にそう言われて(なんかマジックショーの番組見るみたいだよ)とはぐらかした
暫くするとなんだかバレて追いかけられてる快斗の声が聞こえる
なーにやってんのよ。快斗
「だから今日は不安だって言ったのに」
「ごめんなさーい!」
素直に謝る快斗に乾いた笑いが起きる
青子達は周りの騒がしさに私たちが話してることは気づいていない
そして上を見上げると快斗が調べたヘリの数より一機多い事に気づき、そこから鳥肌がたった
あれ
知ってる
見たことある
「気をつけて。今日は良からぬ敵がいるみたい」
「良からぬ?……あぁ、なるほど」
はっきりとは覚えてないけど
あのヘリに乗ってる人は多分
[工藤新一]だ