第1章 気づいたらすでに

『私、ヒーローになって絶対みんなに恩返しする！』



物心ついた時からそう決めていた。
目指す先は日本の最高峰、雄英高校。
生まれた時から親がいない私は孤児院育ち。

でも施設のみんなはとっても優しくて、暖かくて私の大事な家族。
そんなみんなに恩返しするためにヒーローになってお金稼いで施設をもっと立派にしたい。

そう考えるようになってから、生まれ持った個性を伸ばすため日々施設近くの山を駆け回りサバイバルごっこみたいなことをしながら生活してきた。

個性:猫
この個性を伸ばすには猫っぽさにより磨きをかける必要があると思ったから。
気づけばもう中学3年生で、受験を控えるシーズンに差し掛かっていた。


ごく普通の個性持ちで、誰もがヒーローを目指す世界で当たり前のように自分もヒーローを目指す普通の女子中学生。


あのニュースを見るまでは、そう思っていた。