第15章 試験！

『へっ？あ、あたし？・・・誰かと間違えてない？』

突然の展開に驚きすぎてしどろもどろになる紬。

「あってる！！女子であそこまで男子と渡り合える実力！あとあのチアガール良かった！！！！」

『ひぇ・・・』

遠い記憶のように感じていた体育祭を思い出し、その場のノリとはいえテレビ中継されていることを忘れてはしゃいでいたことを後悔する。


「・・・ダメだ」
「なんで！！」
「・・・困ってるじゃねーか」

頭の整理が追いつかず、固まっていると背後から轟が止めに入る。


『あっ、うん。ごめん！大丈夫だよ！』
「大丈夫じゃねーだろーが！さっさと離れろハゲ！」
「ハゲじゃないぞ！！」
「聞いてねーよ！コイツは俺ンだ！！！」
『えっ、勝己・・・』
「爆豪、紬はモノじゃねぇ」

「「「えええええ！？！？！？」」」

またしても飛び出した爆弾発言にその場に居合わせた一同が驚きの声をあげた。

「うそうそうそ！！！」
「正直紬の一方通行かと思ってた・・・」
「やっぱりあの時何かあったんやな・・・！！」
「あの時！？どの時！？俺たち何も聞いてねーよ？？」

葉隠、芦戸、麗日、上鳴が次々に話し出すが、当人たちはそっちのけで火花を散らしている。


『ちょ、勝己・・・』
「ああ！？テメーも何が大丈夫何だよボケ！！」
『ひぃっ・・・』

「あれほんとにそーいう感じなわけ？」
「恋人と言うより・・・所有物ね」
「かっちゃん・・・」


色めきたつ一同だったが、2人を見てるとそんな甘い感じは微塵も出ておらず、瀬呂、蛙吹、緑谷にまでつっこまれる始末。


「わかった！じゃあ仮免取ったらまた聞くな！」
『えっ、あの』

「またなー！！！！」
「待てやハゲ！！教えねぇっつってんだろーが！！！」


結局埒があかず改めて聞きに来ると言い捨てて去っていった夜嵐。
爆豪の表情がさらに険しくなるが、とりあえずこの場は逃れたということで生徒たちはバスに乗り込んだ。




この後寮で多方面から質問攻めにされたのは言うまでもない。