第10章 救世主
「土方さぁーん怖かったよぉー」
中村が消えたとたん更に泣き出したつばき
土「もう大丈夫だ。心配だし家まで送る」
子供のように泣きじゃくるつばきの頭を撫でる土方
少ししてつばきは泣き止み土方と一緒に歩き出した。土方は歩きながら中村のことを聞いた
先程のようなことがあってはいけないからと女将へ電話し中村を出禁にするように頼んだ
そして当分の間の帰りは土方が迎えにくる約束をした
「土方さん忙しいのにごめんなさい…」
土「気にすんな。俺がやりたいからやるんだよ。」
その言葉がとても嬉しく感じて悲しかったことも忘れてしまいそうになった
「土方さんはお仕事で近くにいたんですか?」
土「まぁ、そんなもんだ。たまたまだ。」
「たまたまでも土方さんに助けられたの嬉しいです!土方さん助けてくれてありがとうございます!」
つばきは両手を合わせ喜んでいる
その姿をみてふっと笑みをこぼしタバコに火をつける土方
土方は以前、中村の隣に座ったときに睨みつけるようにこちらを見ていたことに気づいていた
そしてつばきのことを常に見ていることも
それからつばき帰る時間に合わせて店近くを巡回していたのだった