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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第24章 春高一次予選開始!


仁花ちゃんと応援席に上がる途中、方々から視線を感じた。私が不安になってキョロキョロとしていると、仁花ちゃんがニコッと笑った。

「多分みんなびっくりしたんだと思うよ」

『え?』

「ただでさえ女子マネージャーがアップに混ざるなんて珍しいことなのに、あの影山くんにトスを上げたんだもん」

『あのって?』

「さっき影山くん、他校の人たちから “北一の影山だ” って噂されてたの。やっぱりあんなに上手だとすごい有名人なんだなと思って」

『影山くんは確かにすごい人だけど、私は全然…』

「そんなことないよ!美里ちゃんもすごい人だよ!」





「お、きたきた」



烏野の応援席に着くと、先程のメンバーがそこにいた。


「なんだお前ェ、やるじゃねえか!」


『あ、ありがとうございます!?』


「な?驚いただろ先生!」
「ああ、驚いた」


「おねーちゃん、トスすごかったよ!」
「おれもあんなサーブ打ってみたい!」




「ね?」


くるっと私を振り返った仁花ちゃんに私は照れながら笑った。






試合が始まって少し経つと、辺りに人が増えてきた。



『わぁ、ギャラリーが増えたね』

「うん、なんか嬉しいね!」



「…………」



その中から、こちらを睨むような視線に気付く。それには仁花ちゃんも気付いたようで、私にコソッと耳打ちをした。


「…美里ちゃん、あの人知り合い?」

『わかんない…多分知らないと思うんだけど』

「女バレの人かな?すごい睨……見てるね」

『うん…』



少し離れた位置の、しかも真横からのアングルでは顔もよく見えない。背が高いけど、髪型や雰囲気からしてキジマさんではないし…だとするとあんな視線を向けてくるような知り合いはパッと思い浮かばなかった。


…でも、この嫌な感じ初めてじゃない。
なんだろう、知ってる。



でも試合自体も観ているようだし、烏野の応援であることは間違いなさそうだ。


これは烏野の今後を決める大事な試合。
私は、とにかく手元のスコアに集中した。



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