第4章 “頂の景色”
影山 side
「はい、入学式行くわよ!廊下に名前の順でサッと並んで」
「……」
制服が馴染まなくて突っ張るような感じが気持ち悪い。グイッと腕を上げると、誰かにぶつかった。
「あっ…影山くん、ごめんね」
「…いや、スンマセン」
今ナチュラルに名前を呼ばれた気がするのは気のせいか?クラス分けを見た限りこのクラスに知り合いはいないし、この女子の顔にもとりわけ見覚えがない。まぁ別にいいかと立ち上がり廊下に出ると、この階全体に人の波ができていて一気にダルくなる。
「ねえねえ、あの人背高くない?」
「ほんとだ!何センチだろ」
何の気なしにその視線を追うと、人の波から頭ひとつでたヤツがいた。マジででけえな…金田一と同じくらいか?あいつはヒョロそうだけど、俺にあの身長があれば打点何メートルいけっかな。
…あーくそ、バレーしてえ
窓から温かい日差しを受けて、ふあっと欠伸をした。