第21章 影に隠した秘密
菅原 side
この家で鈴木の姿を見た時はようやくあの日の答え合わせが始まったのだと思った。鈴木の手を握りながら眠っていた影山は俺の見間違いなんかではなかった、やっぱり2人は付き合っていたのだと。
なのに……今影山はなんて言った?
「おさ…な、え?」
クイズを出されて答えはAかBだと思っていたのに、まさかのD!?みたいな驚きに俺の心は支配されていた。付き合ってるか何でもないかじゃないのかよ、なんだよ幼なじみって斜め上すぎだろ!
「幼なじみって…」
「いや、え?だって鈴木の幼なじみは青城の…」
「黙っててスンマセン」
「はっ!?…鈴木どういうこと?」
『ごめんなさい、私たちのことを隠すためにみなさんが国見くんを私の幼なじみだと言ってることをずっと否定しませんでした…私の本当の幼なじみは影山くんです』
「「「えぇっ!?」」」
漫画だったら目が飛び出てるんだろうなというくらいの声が上がった。
『ずっと…みなさんに隠してました、すみません』
申し訳なさそうに頭を下げる鈴木に俺たちは顔を見合わせた。
「でも影山、最初鈴木のこと知らないって言ってたよな?」
「本当は知ってました」
「あれは?全然仲良くなってないって…」
「あー…仲は、どうなんスかね」
「さっき抱き締めてただろうが!」
「いやあれはこいつが倒れてきたんで」
「クッソ!」
「まって?ってことはさ、バレーやってる鈴木の本物の幼なじみが……」
俺がポツリとそう言うと、
「「「あっ……あぁ〜」」」
みんなも納得したように頷いた。鈴木のアレも影山が相手なら妙に納得というか、なんというか。
「だから影山、あの時鈴木にサーブを打ちたいって名乗り出れたのか」
「それにトスも打ってたしな」
「あれ凄かった、息ぴったりで」
「もう、ちょっと驚きすぎてよくわかんないな」
大地の言葉に思わず頷いた。