第20章 されど空の青さを知る
谷地 side
ついにやってきてしまった、放課後。
休み時間に突然現れた日向と影山くんには驚いてしまったけど、いい人そうだったし大丈夫だよね…ちょっと怖いけど。
マネージャーの先輩も美人で優しそうだったし、鈴木美里さんも可愛くて私なんかにも優しく話しかけてくれて嬉しかったけど……こんな目を惹くマネージャーがいたら部員の人たちは部活に集中できないんじゃないのかな。
体育着に着替えた私は、第二体育館の入口でおそるおそる中を覗いた。わあ…やっぱりみんな大きい。
「谷地さん!」
「ヒッ!」
ダダダッと前に現れた日向は、テスト用紙を私に見せた。
「午後の英語の小テスト、さっき教えてもらったとこ出て…3分の1も点取れた!」
「!」
私は思わず嬉しくて飛び上がった。
「アップ始めるぞー!」
「「「オース!」」」
先輩の声がけに、みんなが円になって集まった。
「じゃあ今日は練習見学だね、緊張しなくていいからね」
「シャチ!」
「あっ、でも流れ玉には気をつけてね」
「ハイ!」
流れ玉……まさか暗殺!?
あれ…そういえば鈴木美里さんはどこに…?キョロキョロと辺りを見回すと、その小さな姿は何故か部員たちの中にあった。