第19章 能ある烏は翼を隠す
終礼後、いつものように3人で部室へ向かう。
『じゃあまたあとでね〜』
「うん」
青城との練習試合の日は、鍵閉めの関係で男子たちと同じ部室を使わせてもらったが、今はマネージャー専用の部室で着替えを行っていた。バレーの強豪だった頃は部員が多く部室がいくつもあったらしい。その名残で、今は2部屋がバレー部用に与えられているようだ。
着替えが終わって体育館へ向かうと、私が最後だったようでコーチやみんなは既に集まって何かを話していた。
『こんにちは!ミーティング遅れてすみません!』
「おっ、ご本人登場」
『え?』
その輪に加わると、みんなはひとつのスマホを見ていた。その画面を見ると、先程の球技大会の動画のようだ。そしてそれは紛れもなく私のクラスもので、驚きのあまり口に手を当てた。
『ひっ…な、なんですかこれは!?』
「うちのクラスの女子が撮ってたらしくて、送ってくれたんだ〜」
菅原先輩がピースをしながら私を見た。
『そんな、ダメです!こんな辱め…っ!』
「辱めって」
「もうみんな見ちゃったもんね〜!」
『うわぁあああっ!』
「…で、どういうことだ?」
澤村先輩が腕を組んで私を見た。