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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第16章 IH予選 初日


「集合ーッ!」


試合開始10分前



伊達工色に染められた会場。


『………』


聞けば旭先輩が一時部を離れるきっかけになったのがこの伊達工との一戦だったらしい。2、3年生の顔に、先程にはなかった張り詰めた緊張を感じる。


一通りアップを終え、落ち着かない様子で立ったままコートを見つめるみんな。



「……鈴木そろそろ上行くか?」


コーチにそう声を掛けられた。
私が頷くと、コーチは私の背中に手をあてた。


「お前から伝えてやってくれ」

『え?』


「アイツら自身が知らねえ、アイツらのすげえとこ」




そしてコーチはそのままグンッと背中を押した。



タンッ、と私のシューズが体育館の床に響く。



するとその音に烏野のみんなが一斉に私を見た。



みんなの心を鼓舞するような、
力となり、支えとなるような言葉…。


『………』



私は一番手前にいた澤村先輩に手を差し出した。


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