第14章 “ネコ” と “カラス” の対峙
セットカウント
2-0
勝者:音駒高校
「もう一回!!」
日向くんの声が響いて、猫又監督は高らかに笑った。
それから2回戦、3回戦と練習試合を重ねたが、烏野は音駒高校から1セットも取ることは出来なかった。
「「集合ーッ!」」
両主将が号令を出し、相手校の監督の元へ集まった。
私が音駒ベンチでみんなを待っていると、最初にやってきた澤村先輩が私の背中にポンッと手を置いて、微笑んでくれた。
「鈴木、お疲れ」
『お疲れ様です!』
「お願いしァス!」
「「「しァース!!」」」
「…正直、予想以上の実力だった。特に攻撃、9番と10番の速攻、止められるやつはそうそう出てこないだろう。レフト2人のパワーも強力な武器だと思う。あとは…いかに攻撃へ“繋ぐ”のか、だな」
「「「ハイッ!」」」
「…とはいえ、とにかくキミ等はチームとして荒削りだし練習不足。でも、圧倒的潜在能力。練習次第で相当強くなれるだろう、頑張りなさい」
「「「アザース!」」」
「そして頑張っているのは、キミたちだけじゃないと知っておきなさい」
「「「?」」」
「…素晴らしいマネージャーに恵まれたな」
ニッコリと私を見た猫又監督に驚いていると、バッとみんなの視線が集まって、思わず顔が赤くなる。
『…………っ、』
「チーム一丸となれ、そして全国大会で会おう」
「「「あざーっした!」」」
『ありがとうございました!』