第8章 決意のスタートライン
次の日の放課後、私はカバンに忍ばせた1枚の紙を確認した。
『……よし』
「じゃ、また明日」
「鈴木、明日ねー」
『あっ、うん…また明日!』
私は手を振りながら、ツッキーと山口くんが教室を出ていくのを見送った。本当は次に会うのがまた明日ではないこと、2人にはまだ言っていなかった。
「あれ?鈴木さん、早く帰らなくていいの?全国大会で優勝出来なくなっちゃうよ〜?」
『案野さん!私これからちょっと勝負にでるんだ…緊張してるから元気ちょうだい!』
「勝負?…わかった!頑張れ鈴木さん!」
案野さんは私の手をギューッと握って念を送ってくれた。
『ありがとう!よし、行ってくるね、また明日!』
「また明日ね〜!」
私は教室を出て、第2体育館へ向かって歩き出した。