第7章 再会
「挨拶!!」
「「「ありがとうございましたーッ!」」」
バスのある駐車場まで歩いていると、その道中及川さんが待ち構えていた。
「……俺はこのクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして正々堂々叩き潰したいんだからサ」
「………」
「レ、レシーブなら特訓する!」
「!?…おい、放せ!」
「レシーブは一朝一夕で上達するモンじゃないよ…主将くんはわかってると思うけどね、大会までもう時間はない。どうするのか楽しみにしてるね」
そして、及川さんは私に目を向けてニコニコと手を振った。
「それと美里ちゃん、次は最後までシようね!」
「さ!?…最後までって、なんだ!」
「途中まではしたってことなのかァ!?」
「鈴木さんが大王様にィイイ!大丈夫!?」
『…いやなにもないです、大丈夫』
そして、ビビッと突然脳裏に記憶が蘇った。
──ピッピちゃん聞いて!3年の及川さんがかっこいい!
──及川さんと目が合ったの!!
──及川さん好きすぎる!
《オイカワさん》
『あぁーっ!』
「美里ちゃん?」
『思い出しました、プップちゃんが好きだった人だ!』
「プッ…プップちゃん?」
『私の親友です!よかった…ずっとモヤモヤしてました』
「親友がプップちゃんなら、美里ちゃんはなんなの?」
『私は……ピッピ、です』
「ピッピ」
『ちなみにプップちゃんちのワンちゃんはポッポです』
「ポッポ」
「キミ、本当にたまに頭いいのか悪いのか分からない瞬間あるよね」
『まぁツッキーよりは良いかな』
「…は!?」
「ツッキー、次のテスト勝負だね」
「負けないけど」
『望むところだ!』
「……ま、まぁそしたらそのプップちゃんによろしく伝えてよ」
『あぁ、ごめんなさい…もうプップちゃんは別の人が好きだそうで』
「告ってないのに振られた気分…ッ!」
「おい、クソ川いつまで油売ってんだよ!!」
「いっけね…じゃあピッピちゃん、またね〜!」
『……ツッキー』
「なに」
『私が1番最初にツッキーって呼んだ時、ツッキーはこんな気分だったんだね…ほんとごめん』
「わかったならいいよ」