第6章 ぼんさんとおらふくんの守護霊
「……え?」
目を上げた先に見えたおらふくんの頭上に、ぼんやりと何かが映った。
それは見つめている内にどんどんとはっきりしてきて、そこにいたのはパンダであるということが分かってきた。
「まさか、おらふくんに守護霊でもいるんじゃない?」
私の顔はそんなに分かりやすいのか、そう言ったぼんさん。おらふくんは大きな目をより大きく開いて訊ねた。
「そうなん?」
私はすぐには目を逸らし、頭の整理がつかないままそうです、と頷いた。
「おらふくんは今、パンダの守護霊が憑いているみたいです」
私は、それがなぜなのか分からないまま答えた。
急に守護霊や幽霊の話をしたら驚くだけでなく怖がられてしまうだろうが、彼らには信頼して話せる、と思っていた。
思っていた通り、二人はすぐに信じてくれて、どうしてだろう? と話し合い始めた。二人は自分の見えないものについても、こうして真剣に考えてくれる真面目な人たちなんだな、と私は感じた。
私はもう一度おらふくんの方を見やった。そこには確かにパンダの姿をした守護霊がいて、なぜか周りでバチバチと何かが光っては消えてを繰り返していた。少し眩しいので、視える私は何度も瞬きをしてしまう。
(それにしても、不思議なパンダだなぁ……)
二本足で立つパンダだなんて。