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あの方々の守護霊は3[dzl]

第5章 その後


 その後、ドズルさんには何も悪いことは起こらなかったようだが(実況しているゲームの中では何か不運があったかもしれないが……)私はというと、一発で不穏な荷物を見抜いたということで、ファンレターチェック課に時々手伝いに行くことになっていた。
 ファンレターチェック課というのもニックネームみたいなもので、本当は荷物点検のようなものであった。ファンレターは基本的にオフラインでは受け取ってはいないのだが、備品や消耗品を発注する場合もあるので、その荷物の中にファンレターが多く混ざっていることもあった。なのでその見分けをするために、通称「ファンレターチェック課」というものが設立されたようだ。
 事務からメカニック課にいった私は別の課のことは全く知らず、ここを手伝うようになってからそのことを知った訳なのだが。
 そうして荷物の仕分けを手伝うようになっていたある日、珍しい人がファンレターチェック課にやって来た。
「あ、いたいた」
 という声は聞こえてはいたのだが、仕事に集中していた私は目も上げずに荷物の仕分けをしていた。だが、周りが妙にざわつき、私が顔を上げた瞬間にその人物が目の前に現れた。
「ここにいたのね、探したよ〜」
「え、ぼんさん……?」
 そこには、ドズル社のゲーム実況者、ぼんじゅうるさんが立っていた。サングラスを掛けていても笑うとあどけなさが残る顔のまま、ぼんさんにちょっと来てくれるかなと呼び出され、周りの視線を痛い程感じながら廊下に出ると、そこにはおらふさんもいて驚いた。
「あ、えっと、おらふくん……」
「そこにいたんですか、ぼんさん」
 私に目もくれず、真っ先にぼんさんへ声を掛けに行くおらふくん。ごめんごめんと笑みを浮かべながら謝るぼんさんは、おらふくんが本気で怒っていないことが分かるからだろうか。
「聞いてくださいよ〜。さっきまでぼんさんと一緒にご飯行ってたんですけど」挨拶もそこそに、おらふくんが私に今までの経緯を話し始めた。「用事あるからちょっとだけ寄るって言ってたのに、待ってても全然すぐ戻って来ないから来てみたら……」
 ぼんさん、アナタを探して会社内ウロウロしていたんですよ、と言われ私はなぜだろうとぼんさんを見上げた。
 ぼんさんはまだイタズラっぽく笑ってばかりだ。
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