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あの方々の守護霊は3[dzl]

第4章 ドズルさんと守護霊と


「うーん、その黒いモヤは、初めて見るの?」
 私が事情を説明すると、ここではマズイだろうということで、近くの談話室に入るなりドズルさんがそう聞いた。
「はい……こんなの初めてで」
 そもそも私は、このドズル社に来てからどんどんと霊力みたいなものが強くなっていることは薄々感じていたが、この黒いモヤがなんなのか分からなかった。
 ドズルさんは顎に手を当てて何か考える素振りを見せた。それから私に質問した。
「その荷物は、僕が開けても大丈夫かな」
 ドズルさんが私にそう聞く時は、自分に守護霊がいるのか、という質問にもなった。私はドズルさんの背後へ目を向ける。
 ドズルさんの守護霊は優しそうな顔をした女性が憑いていた。その女性はドズルさんの奥さんで、見つめているだけで心が落ち着くような、洗われるような気持ちになる優しい生き霊だ。
「……大丈夫、だと思います」
 果たして奥さんの生き霊がこの黒いモヤから守ってくれるのか確証はなかったが、私には守護霊がいない。守護霊がいない私がこの箱を開ける方が危ないのかもしれない。
「でも、ドズルさん……」
「大丈夫大丈夫」
 それでも、視える私は不安だった。もう開けないでどこかそれらしいところに持って行って確認した方がいいのではと思ったが、ドズルさんは私を安心させるためなのか本当に何も感じないのか、笑顔で受け答えてとうとう荷物を開けた。
 そこにあったのは……。
「え」
 ドズルさんは一瞬言葉を失った。私も何が入っていたのか気になるので中身を覗くと……。
 藁人形が、入っていたのだ。
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