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吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER

第2章 船


「ここで朝まで待つか?」

真っ暗な港で辺りを見回すフェイタン。

ここには2人きりだ。

「とんでもない」

パチンっと指を鳴らすと時間が進み、瞬く間に朝になった。

この能力は便利だが眠ることも必要なので滅多に使わない。

今は早く船に乗りたい一心で能力を使用してしまった。

沢山の人が行き交い大きな船も止まっている。

「行こ!」

驚いているフェイタンの腕を掴んで船に乗り込んだ。

船には屈強の男達が沢山乗っていた。

コーネリア達は気にせず部屋の角に肩を並べて座り本を開いた。

お互いの見たい内容になるのでとても便利である。

船は大きく揺れだす。

「荒れてるね」

コーネリアは初めての船に興奮しながら周りを見回すと船が傾いて男達が迫ってくる。

フェイタンは眉を寄せて自分より大きな男達を片手で投げ捨てた。

物も飛んでくるがフェイタンがバシバシと弾いていくのでコーネリアはなんの心配もなかった。

少しして揺れは納まる。

汚物やこぼれた飲料などで船内は酷い匂いだった。

「外の世界って大変ね」

コーネリアは指で円を書くと2人の周りが見えない壁で覆われる。

これで匂いの問題は解決した。

「ハ、骨の無い連中ね」

フェイタンは転がっている男どもを見て嘲笑っている。

更に大きな波が来ると放送が流れて、男達は小舟に乗って船をおりてしまった。
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