吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第2章 船
「ならコーネリアにあげるね」
「ありがとう!」
フェイタンはコーネリアに甘い。
育ての親のように思っているのか、褒められようと色んなものを持ってくる。
一番信じられなかったのは4年前に貰ったクルタ族の緋の目。
心臓が飛び出るかと思った。
詳しく聞いたら貰い物だと言っていたが、クルタ族を襲撃したのだと思う。
太陽が登る前に海沿いへ到着し港へ降り立つと潮風が髪を揺らした。
「うわぁー、海風なんて初めて!」
コーネリアはこう見えて引きこもり。
城を出たのもフェイタンを逃がした12年前と婚約者を紹介された7年前だけ。
ひっそりと城で暮らしていたコーネリアは外の世界に感動していた。
「これがコンクリート!」
久しぶりのコンクリートに興奮する。
勢いよく足で踏みつけるとヒールの跡が残った。
「意外と柔らかいのね?」
「力入れすぎよ」
吸血鬼の血のせいか怪力すぎる体にコーネリアは笑った。
コーネリアの服は特注品で魔女の魔力がたっぷりと込められている。
羽毛のように軽くドラゴンの鱗のように硬い。
水をすぐ乾かし通気性も抜群だ。
ちなみにフェイタンもいつもの黒服ではなく、ラフなニットの服に帽子と変装は完璧である。
ちなみにこれにも魔法が練り込まれている。
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