吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第2章 船
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コーネリアにはいくつかの能力があった。
ストックしてある死者の血を飲んで吸血鬼の力を解放する。
それは黒い影を自在に操ること。
太陽の下では役に立たないが日が落ちるにつれて強くなり夜は最強の能力である。
真夜中、背中から影を伸ばして黒い羽根を作りフェイタンを掴んで飛行しているコーネリアは海沿いへ向かっていた。
「試験会場に行く船が海沿いなんて手間かかるわね」
「船が山奥まで来てくれれば良かったのに」と自分勝手な事を吐き連ねながらフェイタンに目を向けると彼は呑気に本を読んでいた。
「こんな暗がりで見えるの?」
月明かりだけが頼りな真夜中に本を出してる。
「これ面白い本よ。この前盗んできたね」
大金を払ってるのに彼はお金を使わず盗むことを選択する。
理解できない。
フェイタンを覗き込むと本の文字が光っていた。
「好きな内容が読める不思議な本ね」
「好きな内容?」
「読者側の理想の本になるよ」
フェイタンが掲げてくれる本を覗き込むと青く光る文字は変形して漫画になった。
「えっ!?」
驚いてその場で止まると漫画はうる覚えだった物語をハッキリ移していた。
「そんな…ばかなっ!」
そこにはハンター試験を受けるゴンの姿が描かれていた。
「コーネリア?」
フェイタンは気になって本を見るが首をかしげる。
「拷問の話嫌だたか?」
そんなはずは無いだろうと不思議な顔をするフェイタン。
確かに拷問は嫌いではない。
むしろ母に教えられ慣れっこだが、問題はそこじゃない。
「フェイには拷問の内容が見えてるの?」
「コーネリアには違うのか?」
頷く。
「これって第三者には内容が分からないんだ!すごいよ!フェイ!よく見つけたね!!」
コーネリアはフェイタンを褒めたたえた。
褒められたフェイタンは嬉しかったようで目が三日月のように弧をかいた。
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