吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第5章 1次試験
しばらく歩き続けるとレオリオが止まる。
心配したゴンが止まると隣を走っていたキルアも止まる。
コーネリアは構わずクラピカについて行くと少ししてレオリオが叫びながら横を走り抜けて行った。
道は階段に変わりペースも上がっていく。
次々と脱落者が出る中、クラピカとレオリオが過去の話を始めた。
クルタ族の生き残りで村を滅ぼした幻影旅団を狙っている。
フェイタンはクラピカの話を聞いても様子は変わらない。
本当に幻影旅団の一員になったのだろうか?
貰った緋の目を思い出してクラピカから目を背ける。
知ってて受け取った。
自分はなんて卑怯な人間だろう。
吸血鬼と魔女のハーフだけど…
世界7大美色に入るだけあり、とても綺麗だった。
血が好きな我が家ではその赤色の虜になり、リビングの中心に飾られている。
口が裂けてもそんな事言えない。
「遅すぎてつまらないね」
隣にいたフェイタンがため息をつく。
彼には退屈なのか顔色を変えずに面倒くさそうに首元のマフラーを引き上げた。
「あはは、じゃあもっと前に行く?」
盗み聞きを止めてフェイタンに笑いかけると前方を見て眉をひそめる。
「…いや、このままでいいね」
フェイタンは前方にいるヒソカにコーネリアを極力合わせたくなかった。
「そう?」
理由は分からないがフェイタンがこのままでいいと言うならいいだろう。
階段の上から明かりが見える。
出口はもうそろそろだ。