吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第3章 ドーレ港
扉をノックしても返事がない。
「フェイ、本貸して」
フェイタンに手を伸ばすとショルダーバッグから本を取り出して渡してくれた。
「おい!本なんか読んでる場合か!」
「大丈夫!ゴンもいるし、レオリオは気にせず中確認して」
しっしと手をはらうとレオリオの眉が寄る。
「俺は犬か!」
「ささと開けるよ」
「うっ」
反論したレオリオだったがフェイタンに睨まれて渋々ドアを開けた。
本を開くと漫画が浮かび上がる。
家の中に居るのは魔獣。
彼らはナビゲーターで受験生を試しているのだ。
この後の流れを頭に叩き込む。
「コーネリア、こんな時に何を読んでいる」
クラピカが不思議そうに本を覗き込もうとしたのを、フェイタンが間に入り阻止する。
「なんでもいいね」
「そう睨まないでくれないか。別に敵意がある訳じゃない」
困った様に言うクラピカはフェイタンの警戒心が一向に解けないことを気にしていた。
飼い主に忠実な猫のようで、クラピカはどう接すればいいのか分からない。
「敵意があたらお前死んでるよ」
「は?」
じっとクラピカを見上げるフェイタンの言葉に彼はあんぐりと口を開けた。
まさかそんな事を言われるとは思う訳もない。
「フェイ!そんなこと言っちゃダメ!」
「君は…分かった。もう近づかない」
フェイタンがコーネリアを大切にしていると察したクラピカが軽く笑う。
その言葉にコーネリアはショックを受けて、フェイタンは馬鹿にされたと思い目をつり上げたがレオリオの叫び声に弾かれたように視線を向ける。