第23章 私は
1人で帰路に着き、私は悶々と悩んでいた。
(マネージャー、やってみたいなぁ。自分に勇気があればな。仁花だって、ちゃんとお母さんに伝えに行ったのに…。……………仁花?あれ、そういえば仁花は大丈夫だったのかな?)
ちょっと様子を見に行こうかな、なんて思いクルッと駅の方へ身体を向けた。
すると、後ろから声がした。
「おい」
「うえっ!?」
そこには影山くんが立っていた。
「日向たちの様子見に行こうとしてんだろ」
「な、なんでわかったの!?」
「……なんとなく」
そう影山くんは言うと、「俺も行く」と付き添ってくれることになった。
「あ、ありがとう!」と言って2人で駅の方へ歩く。
影山くんと2人きりなんて……!!
と心臓がドクドクバクバク鳴りながらチラリと隣を見ると、影山くんはなんだか気難しい顔をしており、何か悩んでいるようだった。
(影山くんも心配なのかな)
なんて思って、私は2人が無事お母さんに伝えられたことを祈りながら歩いた。
2人で駅の方へ歩き出し少し経った頃、ブーッブーッと携帯電話が鳴った。
「あ、仁花から電話だ!ち、ちょっと出てもいいかな?」
そう聞くと、「おう」と影山くんは言う。ありがとう、と言って電話に出ると、電話越しに仁花の声が聞こえた。
〔もしもし、!〕
「仁花!そ、その、大丈夫だった?」
〔うん!!無事お母さんに伝えられた!
私、マネージャーやる!!〕
「…そっかぁ、よかったー!!」
〔それじゃあまた学校でね!〕とその電話は切れた。
「仁花、お母さんに会えたんだって!」そう言うと影山くんは「よかったな」と答える。
「うん!マネージャーもやるらしい!」
「そうか」
自分で言ったその言葉に私の心はモヤッと影がかかったような気がした。
もちろん、仁花がお母さんに気持ちを伝えられたことは嬉しい。マネージャーをやれるって、嬉しそうに言っていたことも嬉しい。
だけど、なんだろうこの気持ち。