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三作目 高木雅利

第1章 本編


七百中学校の校門に、女の子が、俺の顔を見ていた。

「悠里ちゃん…」

「雅利くん!待っていたよ!」

「何でいるんだ?」

「抜け出しちゃった!会いたくて!」

「抜け出しは、よくないぞ!」

俺は少し怒った。

「悠里ね、雅利くんに会いたかったんだ」

「そんなに、俺に会いたかったのか?」

「そうだよ!ねぇねぇ、今日は何して遊ぶ?」

「そんな事、急に言われても…」


すると、千尋も現れて…

「雅利くん、それに、悠里ちゃん?」

「あっ、千尋ちゃんだ!
ねぇねぇ、悠里と千尋ちゃん、どっちが好き?」

「そんなこと言われてもな…」

「それじゃあ、どっちを愛している!?」

「言い方、一緒じゃん!」

「私と悠里ちゃん、付き合うなら?」

「…」

俺には、小豆沢こはねという、女の子がいるが、
言ったら、二人が、悲しむに決まっている…
そして、俺は、こう言い放った。

「片思いをずっと続けるなら、
それは、両想いより、幸せだと思わないか?」

「それって…」

「どういう意味?」

「片思いしている人って、大抵、破局する事が多いって、
ウワサだぜ?そして、両想いしている人は、
長続きもせずに、別れてしまう」

「じゃあ、結局、同じじゃん!」

「そうよ!それで、どっちが好き?」

二人とも、俺の顔を、じっと、見つめている。
パーソナルスペースが、明らかに狭かった。

「もっと、簡単に言えば、恋は、難しくて、
怖いことなんだよ」

「じゃあ、私と悠里ちゃんのこと、
ちゃんと、見ていてよね?」

「えっ、わ、わかったよ…」

「じゃあ、雅利くんの家に行きたいなー」

「悠里も!」

「う、うん、わかった、今日は両親がいないから、
大丈夫だと思うよ?」

俺は普段から、一人でいることが非常に多い。

同い年の女の子を二人も、
家に招くのは、マズい気がして仕方がない。

「ここが、雅利くんの部屋なんだね」

「初めて来たけど、キレイにしているね」

「こまめに掃除しているからだ、
飲み物、持ってくるから、じゃあね」

彼女たちの為に、お茶を淹れるのだった。

「悠里のこと、好き?」

「あっ!私のことは?」

「千尋も悠里も、大切な女の子だ」

と、俺はそう言い切るのだった。
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