第9章 innocent@忍足侑士 ❦
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頭を撫でられる感覚に、ん、と目を開ける。
ぼんやりとした視界で瞬きをした。
ゆるゆると、頭を撫で、髪を絡めて遊ぶ指から視線を辿ると、腰下に布団に入れ、服を着て本を読む侑士がいた。
「ん、起きたん?」
栞を挟んで閉じた本をベッドに置くと、よぉ寝とったな、と布団の中に入って、抱きしめてくれた。
「今、何時?」
「22時過ぎやね」
「んー、」
「親、お泊りやて知っとるん?」
「言ったよー」
頭の下に入った腕の程よい場所に側頭部を預けると、額にキスをしてくれた。
「彼氏のとこって言った」
「...親御はん、よぉ許しはったな」
「んー?特に何も言われなかったよ?
『ご迷惑かけないのよ』ってだけ」
「父親は?」
「パパ?言ってないけど、知ってるんじゃないかな?
ママが話したと思う」
「なあ、それ。後々、俺、刺されへんよな?」
「ないない」
平気だよ、とパジャマを着た侑士に抱き着く。
「お姉も連絡無しで帰ってこない時あるけど、怒ったりしないよ」
「お姉はん、いくつなん?」
「19。大学の1年」
「姉ちゃんと同い年か...」
「あ、お姉さん、もしかして気遣わせちゃったのかな...」
今更だけど、と言う紫雨に、ええんちゃう?と侑士は何も気にしていないようだった。
「もともと出る予定やったんやろ。
ホンマはうちにおるつもりやったんなら、おもろがって紫雨ん事、質問攻めにして楽しんどるわ」
やから気にせんどき、と微笑む侑士。
「侑士くん、」
「ん?なんや、もう『侑士』て呼ばへんの?」
寂しなぁ、とそんな素振りは無く紫雨の髪を撫でる。
「『侑士』って呼ぶ方がいい?」
「どっちも好きやで。
くん付けなんも紫雨らしいし、呼び捨てされるんも、それはそれでギャップあってええわ」
ああ、そうや。と少し体を起こすと、紫雨の肩を押して上に乗る。
「ベッドでは、『侑士』にしとこか」
「っ変態っ」
「ひどいわぁ」
汗が引いた紫雨の額にちゅ、とキスを落とした侑士。
トク、とした己の心音に気づき、視線を絡ませた侑士と、どちらともなく、キスをした。
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