第3章 12歳年下の彼
その後も…こっちが、
トレーニングをしている
隣のマシーンを使って。
一緒に…移動しながら。
こっちを自分が住んでいる
アパートの空いている部屋に、
引っ越しませんかと港斗が
しきりに巴を誘って来る…。
流石にそれは早すぎると思うので、
こっちがちょっと強めに
お断りをしようと思った所で。
『ですよねぇ、
流石に…それも、気が早いですか?
だったら、週末は、僕も、
物件探しに同行するのは良いですよね?』
「ええ、それなら…港斗さんも
一緒に…私のお部屋探し…に
今週の土曜日に付き合って貰えますか?」
『じゃあ、その後は…、
一緒にお昼食べに行って。
それから…、どこか…
そうだなぁ、ラブホテルにでも
その日は行って、泊まりましょう』
最初の時は…、5つ星ホテルの
ダブルルームで…、
先週にデートをした時は、
そのまま彼のアパートに
お邪魔させて貰ったから。
そう言えば…彼とは…、まだ…
ラブホテルには…行った事がない。
「ラブホテル…」
『ええ、いい感じの所…、
週末までに、探しておきますね。
巴さんは…、
どんな所が良いとか
行きたいホテルとか、
何かリクエストとか、
ご希望は何か、ありますか?』
「え…っと…、いえ…その…特には…」
そう聞かれて、即答できなかったのは。
私が長らくラブホテルと言う物に
行った事が無かったからだった。
雄介さんは、付き合い始めの頃こそ
ラブホテルには連れて行ってくれたけど。
付き合いが…5年を過ぎる頃からは、
そんな事も…言ってくれなくて。